フケ症体験談(1)
フケ自体は、人間の身体の自然な営みから発生したものです。ところが、ふけの発生の仕方が大量となり、フケ症と呼ばれるレベルになると、健康面でも精神面でも人にとってマイナスに作用します。
フケ症の方の精神面に作用する問題としては、コンプレックスがあります。やはり基本的には、他人の見る目に対する恐怖感が先行することが多いようです。フケ症に悩む人は、まずこの点について悩みを持ち、何とかフケ症を克服しようと考えます。
ここでは、フケ症に悩んだ結果、何とかフケ症を克服した、ある一人の方の体験談をご紹介したいと思います。
Aさんは、現在20代後半の男性です。彼は、小学生の頃に、初めて自分がフケ症であることを自覚しました。やはり多くの人の場合、フケ症を自覚するのは、小学生の頃が最も多いようです。彼もその一人だったわけです。
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もっともその頃は「フケ症」という言葉も、フケの大量発生が一種の病気であること知らず、毎日のように頭をかきむしる行為にふけっていました。
そんなある日、Aさんは友達から指摘されました。
「おまえ、きたねーよ」
Aさんにとって、頭がかゆいからかきむしる。かきむしったらフケが落ちる。ある意味でふけは、自分にとって身近なものだったのです。もちろん、フケが清潔であるものとは思っていませんが、友達からいきなり指摘されるほどに汚いものとも思っていませんでした。
子供同士というのは、残酷なところがあります。相手のショックなどお構いなしに、汚さを極端に強調するところがあります。友達に面と向かって汚さを指摘されたことで、Aさんは、子供なりにかなり落ち込んでしまいました。
その後、ふけのことを、実際に辞書で調べたり、母親に聞いたりして、フケが汚いものだという認識が現実に身についてきました。以来、Aさんは頭をかきむしるのを、何とかやめようと試みました。
しかし、頭を掻くことは、既にAさんの癖になってしまっており、その行為をなかなかやめることができません。いけないことだと分かっていることほど、やめるのが難しいのは子供も大人も同じことです。つい無意識のうちに、いつの間にか手が頭に伸び、かきむしる行為を繰り返すAさんがいました。
これによってAさんが、仲間はずれやいじめに遭うに至らなかったのは、不幸中の幸いだったかもしれません。しかし、女子からは確実に一歩ひかれた存在になってしまいました。
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