硬膜外麻酔による合併症
麻酔薬を用いた無痛分娩といえば、現在では硬膜外麻酔法が主流となっています。
硬膜外麻酔法とは、腰椎の中にある硬膜外腔というスペースに細い管を入れ、麻酔薬を注入する方法のことです。
この方法を行なうにあたって重大な問題が生じることは、ごく稀ではありますが、針を進める際に誤って、硬膜外腔の奥にある袋を傷つけてしまった場合、偶発的硬膜穿刺という状態をまねき、それによっていくつかの影響が出ることがあります。
もしそれに気づかず麻酔薬が投与された場合、脊髄全体にまで麻酔の効果が及び、呼吸をするのが苦しく感じることがあります。
また、麻酔薬が血管内に入ってしまった場合には、めまいや耳鳴りが起きるか、さらに希ではありますが、重症の場合には、呼吸循環不全という症状を起こすことがあり得ます。
このような合併症が出た場合には、早急な処置が要請されますが、適切な処置をすれば命に別状はなく、後遺症もほとんど残ることはありません。
ほかには「脊髄くも膜下麻酔後頭痛」といわれる症状があります。
麻酔後、数時間して起き上がろうとした場合、激しい頭痛に見舞われます。
特徴的なのは、安静に寝ている時はそれほどの頭痛でもないのですが、急に体を起こすと頭痛がひどくなることです。
それ以外に、体の姿勢とは関係なく起こる頭痛もありますが、これは脊髄くも膜下麻酔後頭痛に比較したら、症状は軽い場合がほとんどです。
また、硬膜外麻酔による無痛分娩を行なわなくても、出産後に帰宅してみると頭が痛いという人は同じくらいの確率でいるようです。
こうしてみると、頭痛に関しては、必ずしも硬膜外麻酔のせいばかりとは言えないようです。
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